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日本人のノーベル化学賞受賞ということで,純粋におめでとうございます.
私,化学はさっぱりなので新聞で読んだ以上の知識はないのですが日本人が受賞するのを聞くと嬉しくなります.
しかしあえてノーベル物理学賞に注目してしまうのは
私が大学で物理学のしかもグラフェンに関係することを専攻にしていたという事情があります(素粒子とか宇宙ばかりが物理ではないのです).

グラフェンというとなじみが薄く感じるかもしれませんが意外と身近に存在しておりまして,グラフェンを何枚も重ねたものはグラファイトとか黒鉛とか呼ばれるぶっちゃけて言えば鉛筆の芯になります.
グラファイト自体はよく研究されておりましたが1層だけ取り出してグラフェンの状態になったものは性質が異なり,面白い性質をもっていることが指摘されていました.
しかしせっかく身近で面白い物質があるのにグラフェン1層だけを取り出すということをやってのけた人がいなかったために実験を行えず(2層グラフェンはまた違った物性を示します),面白い物理現象を見ることができなかったのです.
Geimらはグラフェン1層をセロハンテープというこれまた身近なアイテムを使って取り出すことに成功し今回のノーベル物理学賞の受賞になりました.

このセロハンテープで1層を作るというのは言うのは簡単なのですが,実際にはセロテープで何遍もぺたぺたして顕微鏡で見て1層になるまで繰り返すという最先端物理としては想像できない作業だったりします.
しかも顕微鏡で見たときの目の前のものが1層なのか2層以上なのかを見分ける(確か1層グラフェンは青っぽくなるはず)ことが非常に難しいらしく,初めて聞いたときは耳を疑った覚えがあります.
しかし最先端物理だから何でもかんでも最先端機器を使って実験するのが当たり前という当時の私の認識,ひいてはそれに類似した先入観を改めてくれたことにもなり,今でも印象に残っているエピソードだったりします.(インパクトが強かったというところもある)

ちなみにグラフェンを円筒状に丸めたものはカーボンナノチューブと言われ,日本人である飯島澄男先生が発見しておりこれまたノーベル賞の有力候補といわれていたりもします.
グラフェンの物理はまだまだ面白いことがあると思うので(量子ホール効果とかトポロジカル絶縁体とか),これからも注目していきたい世界ですね.
ただグラフェン界隈はユニバーサル物理というよりは炭素原子そのものの性質によるものが多く,グラフェンの理論でノーベル賞とるのは難しいと言われているので,理論やってた私にはちょっと切ないところがあります.

固体物理の理論といえば近藤効果の研究をした近藤淳先生とか受賞しないかなと個人的には思ってますが.
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【2010/10/08 01:16】 | 物理
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